つながる経済は創造される

新年明けましておめでとうございます。本年はつくラッセルが本格始動していきます。健やかなる1年になりますように。本年もよろしくお願いします。
さて、新三河タイムスさん新春号に、つくラッセルのことを寄稿させていただきました。下記、全文掲載します。

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旭に移住して7回目の正月を迎える。私が住んでいる集落では、お宮での新年参賀からはじまり、13戸全員が集まり、気持ち新たなる時間を過ごす。移住して産れた長男は1年生になる。移住してまもなく近所にある築羽小学校が廃校になり、長男は来年度から自宅から6kmの敷島小学校に通う。築羽小学校廃校時の在校生が12人、もし廃校にならなかったとして今年は8人。さすが少子高齢化最前線であるが、あと数年で、15人、20人と廃校時より元々の築羽小学校区の小学生は増える予定である。UIターンの子育て世代が増え、子どもの声がよりたくさん聞こえるようになってきたのはうれしい。小さな希望をもち新しい年に新しい取り組みをはじめていきたい。

日本全体の傾向に加えて、高齢者の多い中山間地ではさらに人口が減っていく。これからどう住む地域を、暮らしを創っていくか。経済の話でもあるし、経済以外の話でもある。お金を稼ぎモノやサービスを買うことで生活をつくる都市型ライフスタイルで考えれば、年を重ねること、現代社会に心や体があわないこと、育まれる子どもたちは、負担ととらえられるかもしれない。でも、山里型ライフスタイルでは住むひとりひとりに役割がある。子どもからお年寄りまで、自分のこと、家族のこと以外に、地域のことにもかかわる。家のことの先にも地域がある。お年寄り一人ひとりの暮らしが、子どもたちの一つひとつの成長が、「お金を稼ぐ」こと以外で、地域の景観をつくり、住環境を整え、見守りあう愛情を深めて、次世代につながる文化を育んでいる。お金を稼ぐことだけが、私たちの暮らしや社会をつくっているわけではない。

AIやICTの発達によって、これからさらに効率化され人を介しない仕組み広がり、今より人と人とが関係するありかたが減っていくと予想されている。しかし、私たちは体をもった生身の人間。どんなに効率化されても、新鮮な空気、清らかな水、体を養う食、心休まる時間、心うごかされる喜怒哀楽、そして、他人とのつながりのなかで生きている。そう考えると、地域の担い手の減少と、新しい技術や仕組みが広がっていく先には、もっと濃い時間の流れと、つながりあう濃い関係性のある暮らしが必要とされていくのではないだろうかと思う。人と人とが信頼のもとでつながりあうこと、暮らしとはたらくことの境界があいまいになりマルチタスクで両立させていくこと、ゆるやかにみんなで見守り支え合っていくこと、これらは田舎のコミュニティのありかたに近い。

加えて、近年では、企業、大学、NPO、一般の皆さんが、旭を訪れ、関わり、いっしょに地域を担う活動も増えてきている。担い手不足にたいして、自治意識を育みながら、信頼に支えられた新しいつながりの経済を意識し、できなくなっていくことを組みかえながら、新しい暮らしとはたらくありかたを提案していきたい。

廃校になった築羽小学校跡地。2017年10月より、つくラッセル推進コンソーシアムという枠組みで整備しはじめた。ここでは、みんなではたらけるコワーキングオフィス・シェアオフィス、みんなのコミュニティスペース、あさひDIYセンターとみんなのDIY工房など、つながる拠点と小さな地域の事務局として、さまざまな活動を民間ベースで進めていこうと思う。グラウンドは、廃校になったあと地域の皆さんで跡地を守っていくためにはじめたマレットゴルフ場になっている。4月のお披露目までにどこまでできるかな。詳しくは、Facebookページ「つくラッセル」をご覧ください。

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