旭では、7年間続いている旭木の駅プロジェクトという活動がある。「軽トラとチェーンソーで晩酌を」を合言葉に、山主さんたちが自分の好きな時間に好きなだけ家にある道具をつかって体力にあわせて木材を搬出する。それが、モリ券という地域通貨になって、旭地区内の商店で利用される。今では、年間490tの木材が搬出され、半年間で400万円の地域通貨がでまわる。
7年前にNPOが中心となっておこなった1ヶ月の社会実験ののち、手ごたえを感じた地域住民が主体となって実行委員会が結成。そこで山主さんだけはなく、商店、研究者、Uターン、Iターン、行政、森林ボランティアとさまざまな人たちが参画したことが、今へ続くひとつ目の鍵となっている。しかも、木材価格は安いので、1tあたり6000円分のモリ券を発行するのに、木材は3000円で販売し製紙パルプとなって、その逆ザヤ分を、寄付金や寄付材などで埋めようというやればやるほど赤字がでる無謀な仕組み、これがなんとかしないととみんなを奮い立たせる、これがふたつ目の鍵。あと数えだせば鍵はいくつもあるが、木の駅という枠組みだけでは終わらない、それぞれを源流にもつ、いろいろな流れが合流し、あつまり、また支流にもなる。たどればずっとずっと昔の今は忘れられた人のなにかがきっかけかもしれない。
ただ、あのとき「地域のことは自分たちでなんとかやっていこまい」こう想う人たちがいたからこそ、それに賛同する人たちがいたからこそ、そう想える地域が受け継がれてきたからこそ、今へ続いていることは間違いない。
ここから木材の販売方法を模索するなかで「あさひ薪研」が誕生。薪にして販売をしている。木を出す人、薪をつくる人、配達する人、事務をする人、みんなで仕事をシェアをする。今では年間150㎥の薪を販売している。
あさひ薪研(http://www.facebook.com/asahi.makiken/)
木の駅でだされた45cmの薪になるたんころ
2017年度、第9回の木の駅プロジェクトが11月23日、安全祈願をして出陣式をおこなった。課題は毎年ある。その分、工夫も毎年ある。
第9回からは薪に引き続いて、DIY材として近所のあさひ製材で製材して利用と販売をすすめていく。つくラッセルでは「あさひDIYセンター」として、木材の販売と、みんなでものづくりができるシェア工房を準備していく予定である。
なにが本流で、なにが支流か、網の目のようにはりめぐらされた流れのなかにある木の駅の船には、「地域のことは自分たちでやっていこまい」というあったかい船乗りがたくさんのっている。
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